遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

学生時代

失意の時代 才能豊かな女流詩人との出会い

私は、大学時代、恋愛しない主義だった。クラスやサークルの女の子はまわりにいたが、普通に話するだけだった。私は、再び同じ失敗をしないため自分を見つめ直し自分を鍛え直し強くなろうとした。恋愛は、これはという人に出会うまではしないつもりでいた。…

初恋が破れた日

7月15日は、初恋のあの子が、突然転校宣言した日だった。私は、転校の一言を聞いて、愕然として言葉が出なかった。担任もあの子も母も、あの子が転校することを知っており、私に知らせないようにしていたことを知ったからだ。私は、転校の挨拶を済ませ、…

初恋の時代

私は、中一が初恋の時代である。今から思えば、たった100日の恋だった。始業式の日から数えて、ちょうど100日目にあの子は転校していったからだ。小学校時代、母に頼んで、水色のトックリのセーターを編んでもらい、週1回の朝礼の際にピンクのトック…

税務署の想い出

たぶん、私が4歳の時だったと思うが、医療費還付?の関係で母は私の手を引き、税務署を訪れた。確か二度行ったと思う。 事務所は薄暗く、応対された方がいかにも役人臭かったことを今も覚えている。さて、この建物、今は廃屋状態である。だが、私はこの建物…

学生時代 ペギー葉山

天気が良かったので、ある大学構内を散歩した後、古本屋に立ち寄った。大学時代は挫折の時代だった。本来なら現役で合格できるはずの大学に落ち不本意にも浪人を余儀なくされ精神的不調から浪人中の成績がぱっとせず滑り止め目的で受けた大学はどれも合格で…

水彩絵の具メーカーと同じ名前の喫茶店の想い出

高校時代、時々水彩絵の具メーカーと同じの名の洋食レストランの前を通った。一度閉店し、別の経営者が引継ぎ、今はネイルサロンとなっている。この喫茶店に通ったのは卒業して30年近く経過した一時期だった。店の中は、これまで見た、どの喫茶店よりも素…

毛糸の店の想い出

私は、小学6年生の時に、母にお願いして、あの女の子とお揃いのデザインのとっくりのセーターを編んでもらった。その時に母が毛糸を買いに行ったのがこの店である。 この店は、店構えも店の内部も当時のままである。あの女の子のセーターはピンク色で、私の…

本屋の想い出

私にとって本屋と言えばここしかない。だが、閉店した。確か5年前だったと思うが、閉店の張り紙があるのを偶然見つけ、雑誌を購入した際に、閉店記念のボールペンを頂いた。この店は、名前が富貴堂。良い名前だったと思っている。入り口左隣は、ヤマハでピ…

真冬の想い出

私は、小学校3年生の時、書道教室に通う悪友2人から、小学校の放送部に参加することを誘われた。そして、小学3~6年まで、アナウンサーまがいのことを実際に行った。選曲もナレーションも自分たちで行った。そんな時、気に留まったのがこのスケーターズ…

転校を告げる挨拶をした女の子のこと

中学時代、私は生徒会役員をしていた。当然、下の学年の生徒との交流が増える。生徒会役員は選挙で選ばれるので、知名度もある。あるとき、生徒会役員の仕事をしていたときに、名も知らぬ、ある女子生徒から転校の挨拶を受けた。私は彼女のことはまったく記…

数十年ぶりに神社に参拝したこと

私は、神社に参拝することは滅多になかったが、あの日だけは違った。高校の卒業式の日、あの人にそっと別れを告げた後、虫の知らせのようなものがあり、促されるように街中から離れた丘の上にある神社に歩いて参拝した。途中、あの人の家の横を通り過ぎ、橋…

啓子ちゃんのこと

小学校5、6年の頃に同じクラスになった女の子である。たった、2年間のお付き合いだったが、彼女は、修学旅行や遠足になるとなぜか私の隣にいて写真に収まっていた。彼女は、私よりも一足先に大人になりその後の人生について目覚め私のことを男として意識…

目は決して忘れない

あの人は、たった一度遊んだ幼なじみだった。あの人が私の手をとり、一緒に遊んだのだ。嘘ではない。本当なのだ。そして、商品の上ではしゃいでいるところを見つかりあの人の父から厳しく叱られたので私もあの人も互いの目をしっかり見るしかなかったのだっ…

彼女は実におしゃれだった

おしゃれのセンスは異性から学ぶことが多い。彼女は、高校時代、別格の存在だった。色も柄も一見、地味なのだが、よく見ると高級品を着ていた。金持ちの子はほかにもおり、ほとんどが既製服なのだが、彼女だけは、仕立物だった。そして、お嬢さんぽく、他の…

高校時代の帰り道でのこと

私は高校時代、猛勉強した。最難関の大学を目標としていたからだ。勉強しないで成績上位になれる生徒は一人もいなかった。みんな寸分を削る努力の中で、ミスを減らし、確実に得点する努力をしていた。私は、当時、学校帰りは、頭を休めてから帰る習慣だった…

3月10日は卒業式だった。

3月10日は高校の卒業式だった。私は、この日をもって、たった一度一緒に遊んだ幼なじみであり、心から好きだったあの人から去る決心をした。私には、あの人は高嶺の花であり、とても釣り合う人だとは思えなかった。別の恋の傷がまだ癒えず、受験直前でと…

いまだに説明がつかないこと

私は、晩生で、周りが思春期を迎えて背がどんどん伸びていく中で、中学二年になっても背は低いままだった。ただ、スタイルはよかった。自分でも容姿はいいとは思ってはいなかったが、成績抜群でそのための努力は人の3倍はした。当然、もてるハズがないと思…

そして街路灯だけが残った

ちょっと時間が空いたので、学生時代に住んでいた場所に寄ってみた。その頃は、学生街で、アパート、下宿、寮、などが多く、司法書士事務所、行政書士事務所、ハンコ屋、安居酒屋、銭湯くらいしかなかったところだ。 ほとんどが木造だった。しかし、今は違う…

第二の母校

母校はと聞かれるとつい第二の母校のことを想い出す。本命の大学ではなかったのだが、試験前日に下見に行って、勉強しやすい雰囲気であることがわかり、なんとしても合格したい気持ちになり、数学の答案に必死に書いたことを覚えている。試験日は2月17日…