遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

礼子ちゃんのこと

近所に、同じ年の女の子が3人いた。その中で一番安心できたのが礼子ちゃんだった。色白でふっくらして、目がパッチリした綺麗で穏やかな子だった。他の2人は、トランプ遊びしながら途中でルールを変える狡猾なところがあったり乱暴狼藉者で母親に小遣いを…

故郷から想い出が次々と消えてしまった

私の故郷の街は、大規模都市開発がなかったので、街並みは昔のままだ。だが、昨今の構造不況で中心街がどんどん寂れていくばかりだ。まず、最初に、中学1年の時に母に時計を買ってもらった宝石店が閉店した。それから後を追うように、高校生時代まで靴を買…

ショパン 『[舟歌』  幸福の瞬間

あなたにとって幸福の瞬間とは何だろう?多くの女性にとっては、ウエデイングドレス姿での結婚式が幸福の絶頂の瞬間のようだ。では、実生活においてはどうだろうか。私は、二人きりで手漕ぎボートに乗って、木陰で昼寝する瞬間が至福のときだと思っている。…

銀行の支店長の娘さんのこと

音楽教室に、ある地銀の娘さんが来ていた。三つ編みがよく似合う、スラっとしたかわいい女の子だった。あるとき、家に呼ばれて母とお邪魔してみると、そこは質屋の蔵のような広い建物の支店長社宅だった。弟さんもいて、とても話しやすそうな一家だった。銀…