遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

兜町 千代田書店の想い出

兜町にあった株式関係本の専門店が2009年閉店となったことを、つい最近になって知った。

 

兜町・千代田書店閉店
http://www.kamesan-investment.jp/article/13415318.html

千代田書店の閉店に想うこと
https://blog.goo.ne.jp/taohtaohgenki/e/3fe2c10a9cf3f1aee030e0738e2bbeff

 

この書店は、山種証券ビルの地下にあった。広さ100坪くらいのスペースに、株式関連本のみを扱っていた。ゴールデンチャートなどのチャートブックはもちろん、その辺の書店では見かけることがない株式売買の技法書、それも一冊1万円くらいのものが所せましと並んでいた。

 

 

株式売買の技法書と聞いて胡散くさい本と思う人がいるかもしれない。


株式売買をする人にはそれぞれ動機がある。
人間関係が煩わしく普通の仕事は二度としたくない、今の給料では納得できない、早期退職したい、店を持ちたい等々、人それぞれに事情がある。
紀伊国屋で平積みしてあったチャートブックを真剣なまなざしで読む、(証券投資に似合わない)やや派手な服装の絶世の美女を見かけたことがある。読み終えた時の悲し気な眼差しをずっと覚えている。


株式市場は、そういう(やむにやまれぬ)事情を抱えた人が参加する。


そういう事情を知っているためか、中小証券会社の社員は顧客にやさしい。店頭の株価ボードを昼休みに眺めていたところ、親世代の方から「株でしっかり稼げるようになりなさい」と励まされたこともあった。その方は、かなりマイナーな銘柄で儲けていた。

私の場合、特定の上司との折り合いが悪く、それも時の首相のように人事権を行使することで自己満足に浸るタイプだったため、左遷人事を喰らったことをきっかけに、(生き残りを賭け)売買技法に関する株式投資本を大量に買い、単身赴任先で夕食後に読みふけった。

 

兜町の株式関連本専門書店の存在は、書店流通しない本を購入した時に店舗の住所等の情報で知った。出張の機会を利用して立ち寄り、記念に、江戸時代の米相場で相場師として有名だった本間相久の本を購入した。出版社は投資レーダー。この出版社は良心的な売買技法書で知られている。

時代は変わり、この正月から日経平均は史上最高値を三十数年ぶりに更新した。原動力の一つとして、売買益・配当無税の特典付きのNISA枠で個人投資家による株式購入が挙げられる。

 

https://honkawa2.sakura.ne.jp/5075.html



 

かくいう私も、利回りの良い銘柄、一株資産モノサシで、割安な日本を代表する銘柄を長期保有目的でNISA口座で正月以降少しずつ買い増した。

 

株式取引で継続的に利益を上げ続けることは、仕事よりも難しいことは承知しているつもりだが、(部下の足を平気で引っ張る上司に仕えた経験から、自分の知識と経験と能力が正当に評価された結果として)株式投資で利益を得た経験は何事にも代えがたい。

日経平均株価の上昇が今後数年間見込めそうなので、今度上京した際は、千代田書店の屋号を引き継いだ書店が神田にあるそうなので行ってみるつもりである。

 

ビジネスブックス
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9