遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

母が亡くなった夜

今年も例年のように母の命日が来る母が亡くなった夜私は、病院から降り積もる雪の中を車を走らせた雪は暗い闇のそらからあとからあとから降ってきた私は、前が良く見えず対抗車も前を走る車も見当たらず途方に暮れた雪はどんどん激しくなり仕方なく道路脇の…

母と子の絆  三好達治 乳母車

母の命日にふさわしい詩を一つ選んだ。三好達治の名詩に「乳母車」がある。この詩は、紫陽花、並樹、風、渡り鳥という自然素材を用い記憶の世界にある乳母車の視覚的イメージを最初に提示している。これらの素材をセットした状態で泣きぬれる夕陽つめたき額…

甃のうへ 三好達治

三好達治の詩には、他の詩人にない、写真のような鮮明な心象風景がある。言葉と凝縮した一瞬が微妙にマッチした、幻想世界でもある。たとえば、「甃のうへ」(いしのうへ)という詩。散りゆく桜の花びらと少女の一挙一動を重ね合わせ詩の一行それぞれが、京都…

場末のカラオケスナックの想い出

30歳の頃に起きたことを想い出して書いている。ある真冬の吹雪の夜ある場末のカラオケスナックにて隣に座った妙齢の女性から村下孝蔵の「初恋」を歌うことをせがまれた。最初は、断った。また、この曲のメロデイを知らないことを告げたのだが、その女性は…