遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ふるさとはありがたいもの

同じものでも買う場所によってそのモノに対する印象ががらりと変わる。私は、墓参りのついでに時間をつくり、買い物をしてから帰るようにしている。行く場所は、いつも決まっている。帽子屋と本屋に寄り、必要な買い物をする。なぜなら、ふるさとでした買い…

遠い山並み

晴れた日は家から遠い山並みがくっきり見えた。いつも上の方が冠雪しているようだった。慣れ親しんだ風景だった。が、母の死をきっかけにまったく想い出せなくなった。それから20年近く経過し、ある晴れた日にふるさとに向かう途中、丘の上を車で通り過ぎ…

追憶 2月14日

2月14日は残酷な日だ私にとってもあの人にとってもあの日を境に、歯車がすべて変わってしまったのだ。その想いは一生ついてまわるのだ。私がしたことはあの人を悲しませるだけで、あの人は、たぶん私のせいで生涯独身で過ごし、私は、後悔の念で一生を終…

祥子ちゃんのこと

オルガン教室に4年間ほど通った時期、同じ教室の女の子が近所に住んでいることを知り、母親同士仲良くなり、私は、祥子ちゃんの存在を知ることになった。祥子ちゃんは、一人っ子。お父さんは学校の先生だったと思う。目がくりっとして黒目がはっきりしてい…