遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

遠い山並み

晴れた日は家から遠い山並みがくっきり見えた。
いつも上の方が冠雪しているようだった。

慣れ親しんだ風景だった。
が、母の死をきっかけにまったく想い出せなくなった。

それから20年近く経過し、ある晴れた日にふるさとに向かう途中、
丘の上を車で通り過ぎたとき
母に抱かれて見た山並みが鮮やかに蘇った。

その日は、母の墓参りの日だった。

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