遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

彼女とデートしたかったレストラン

もし、もう一度昔に返って、彼女とデートできるならあの店にしたいと思っていた店があった。その店は、高校時代、洋食のコースメニューのレストランだった。店の名は、有名な水彩絵の具メーカーと同じだった。外から見える店内はしゃれていて、なんとなくパ…

祖母の夢

私と祖母は、一度だけ会い、一度だけ話しかけられた。たったそれだけの関係だったが、一度だけ祖母の夢を見た。それは、祖母が亡くなった早朝未明に、起きた。田舎の農村の広い道を一族と思われる白装束の集団が二列に並んでゆっくり歩いていた。その直後に…

婚約の瞬間

私は、20台半ばで結婚式をあげた。春が来て、婚約することを決意し、彼女に連絡をとり、待ち合わせした場所は、学生時代から通っていたJazz喫茶だった。私は、約束の5分前に店につき、カフェオーレを注文し、彼女が来るのを待った。彼女は、約束の時…

直子ちゃんのこと

小学校1~2年の頃、私は近所の直子ちゃんと仲良しになった。直子ちゃんの家は、大きな3角屋根の家だった。お父さんは公務員で苗字は有名な武家と同じだった。明るくまったく気疲れしない子で、近所の意地の悪い女の子とは別格だった。私は、直子ちゃんが…