遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

転校を告げる挨拶をした女の子のこと

中学時代、私は生徒会役員をしていた。当然、下の学年の生徒との交流が増える。生徒会役員は選挙で選ばれるので、知名度もある。

あるとき、生徒会役員の仕事をしていたときに、名も知らぬ、ある女子生徒から転校の挨拶を受けた。

私は彼女のことはまったく記憶になかったが、彼女は覚えていた。
彼女は、今まで見た女性の中で飛びきりの美人だった。なぜなら,居合わせた同級生みんながその美貌にあっけにとられたからだ。

彼女は、何か私に話したそうだった。

細面の顔、切れ長の眼、少しウエーブがかった、かなり長い黒髪だった。すらっとした体型でスカートではなくスラックスをはいていた。

だが、情けない話だが名前すら覚えてない。
本当に情けない話だが。