遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

想い出の曲

贈り物 Souvenirs

私は、「贈り物Souvenirs」という曲を何年も聴き続けている。この曲の作詞作曲は Dan Fogelberg。彼はもうこの世にはいない。だが、贈り物を残した。動画の中の絵は彼の作である。静かに川が流れ、日がゆっくりとのぼり、一日が始まり、そして終わる。人の一…

Double rainbow

「夕立がさあっと降った後で、虹が空の彼方に映る」その一瞬の光景を音楽にしたと思われる曲がある。「Double rainbow」である。作曲は、ボサノバの巨匠アントニオ・カルロス・ジョビン。この曲には歌がない。オーケストラ、ピアノ、ブラスセクションがメロ…

人生最初のレクイエム 母の死

水曜日は母の命日だったその日は、あの日と同じように雪がしんしんと降っていた静かなよるだったあの日の朝、母の容態が悪化し母は意識を失った母はついに帰らぬ人となった私に出来たことは母の手を握ることだけだった私は病院会計を済ませ遺体搬送を手配し…

夢と希望そして勇気

確か中学生時代、「雨に濡れても」という曲が流行った。何度聞いても飽きず不思議と心が安まる曲だった。聴きながら今日はダメでも明日は頑張ってみようという気にさせてくれる曲だった。頑張ろうという趣旨の曲は多いが頑張ろうとは言わずになんとなく夢を…

想いのとどく日

切ない曲喜び溢れる曲はたくさんあれどそれを一曲の中に凝縮した曲は滅多にない。「想いがとどく日」という、100年近い前のタンゴの名曲があることをご存じだろうか?この曲は、最初はぎこちない緊張感で始まりしだいに切なくなりその切なさが恋する喜び…

さようならと言えない

生きていてもっともつらいことそれは、あの人と破局を迎え希望を失うこと好きなものはずっと好きでいたい。ただそのことだけに私は、こだわった。私は、知らず知らずのうちにあの人を高嶺の花にし自分のこころの中の人形ケースにしまい込んでしまった。あの…

Moon River

説明するまでもない、有名な映画の主題歌である。オードリ・ヘップバーンの魅力が随所に垣間見れる映画でもある。映画を見ているだけで、若かりし頃の恋心がほんの一瞬甦る。夢心地になり、今度、恋ができるなら、こんなスラッとした肢体に知的さとエレガン…

電話をかけるときのときめき

若いときは電話一つするのに随分ときめいた。話す前から今日は何の話しにしようか今日はどんな冗談を言おうかどこに誘おうかいろいろ考えた。考えるだけで楽しかった。『Call me』 という曲は、電話をかけるときのときめきとメロデイラインが微妙にマッチし…

恋のかたち

3年ぶりに恋に落ちたものの心の中はまったくぎこちなかった。どうしていいかわからないことの連続だった。勝手がわからなかった言っていいだろう。そんな時一人の女性をどう見るか、どう扱うかについてはっと気づかせてくれたのがこの曲だった。この曲の歌…

とわの愛のために 恋はフェニックス

ずっと愛していたのにずっと再会を望んでいたのにどうにもならなかった私にとってあの人の存在があまりに大きすぎたのだ。おまけにあの人にとっても同じようなことが実は起きていた私は別の道を選びそのことで私はあの人を悲しませあの人は孤高のまま人生を…

ショパン 『[舟歌』  幸福の瞬間

あなたにとって幸福の瞬間とは何だろう?多くの女性にとっては、ウエデイングドレス姿での結婚式が幸福の絶頂の瞬間のようだ。では、実生活においてはどうだろうか。私は、二人きりで手漕ぎボートに乗って、木陰で昼寝する瞬間が至福のときだと思っている。…

再び恋をする決意を促した曲  Shine It On Me

私は、予備校時代、大学1~2年と恋をせずに過ごした。気になる人がいない訳ではなかったがあの人のことを想い、思い留まった。それでも大学3年の春になりこの人なら仕方あるまいと思うようになった。その人は、同じ大学の文学部の人だった。お父さんが学…

Berceuse Op.16 for flute - Faure (フォーレ 子守歌)

学生時代に初めて聞き、一時期虜になった曲である。絵を描き、詩集を読んでいるとき疲れているときに昼寝しながらよく聞いた。曲の最初とそれ以降で音程とスピードが微妙に変わるところがあり時間の経過とともに景色が遷ろう、モネの絵を見ているような錯覚…

I'm not in Love

私は、学生時代、恋をしない時期を3年間過ごした。それは、夢中だった女の子のことをきれいさっぱり忘れ、心から好きだったあの人に再び出会うために私が選んだ事だった。何人か女の子から告白らしきことを受けたが、私の決意は固かった。その女の子と付き…

The Beatles  「 She's Leaving Home」

詩人 田村隆一の名詩で「正午」という作品がある。――――――――――――――――――――――――――正午 窓の外にあるもの、 火と石と骨と、 歯と爪と毛髪のなかに刻まれたわれわれの「時」、 驟雨と予感のなかで、寝台から垂れさがる、 彼女の腕 窓の外にあるもの、 それは死な…

ルイのテーマ 失恋を癒す歌

誰でも一度くらいは失恋の経験はあると思う。私は、大学3年のときの失恋が一番堪えた。お互いに好きなのに、好きなのがわかっているのに、なぜかうまくいかない。その理由は自分にあった。私が、愛すべき人と中途半端に別れてしまったために誰かを好きにな…

母の命日に聴く曲

聴くだけで、遠い昔を想い出す曲がある。ラベル作曲の、「亡き王女のためのパヴァーヌ」である。この曲は、ピアノ曲としてあまりにも有名だが、マクサンス・ラリューのフルート演奏が優美で透明感があふれている。私は、古いアルバムを開き、亡き母に抱かれ…

クープランの墓

ラヴェルというクラシックの作曲家がオーケストラ用に作曲した管弦楽曲に、「クープランの墓」という名曲がある。第一次大戦で戦死した知人に捧げる曲だとされている。この曲の第一楽章は、光が満ちあふれる世界がめまぐるしく移り変わる、それでいて感傷を…

通りゃんせ

日向敏文の曲の中に、なつかしい曲をモチーフにした、変奏曲「Les Enfant」がある。桜の花びらがハラハラと舞い散るような雰囲気の中で「通りゃんせ」が始まり、やがてときが経過し、幼友達の女の子との間に芽生えるほのかな恋心を暗示しているようである。…

追憶 2月14日

2月14日は残酷な日だ私にとってもあの人にとってもあの日を境に、歯車がすべて変わってしまったのだ。その想いは一生ついてまわるのだ。私がしたことはあの人を悲しませるだけで、あの人は、たぶん私のせいで生涯独身で過ごし、私は、後悔の念で一生を終…

婚約の瞬間

私は、20台半ばで結婚式をあげた。春が来て、婚約することを決意し、彼女に連絡をとり、待ち合わせした場所は、学生時代から通っていたJazz喫茶だった。私は、約束の5分前に店につき、カフェオーレを注文し、彼女が来るのを待った。彼女は、約束の時…

クリスマスにあの人と聴きたい曲

クリスマスが近づいてきた。街はクリスマスのメロデイ一色だ。しかし、私にとっては、そんなのはどうでもいい。あの人と一緒でなければ意味がない曲があるのだ。それは、ブリテンが作曲した「キャロルの祭典」という合唱曲である。宗教曲だが、非常に透明感…

キミガタメ

キミガタメは、確かに良い曲だ。メロデイも歌詞も歌も素晴らしい。文句のつけようがないくらい良い曲なのだ。我々は平和な時代に生き、この曲が良い曲だと素直に言える。犯罪以外は何をやっても自由だ。日本人は勤勉で経済大国となり、国民の大多数は世界の…

Never say goodbye

Haylay が唄う Never say goodbye という曲のことである。メロデイは「ラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌ」そのものなのだが、この曲は、ラヴェルのピアノ曲よりもかなりゆっくりと歌い上げる。そして、つい愛する人がゆっくりと夢見るように歩いている…

愛する心 My Heart and I

ニュージーランドが生んだ、ピュアヴォイスと言えば、Hayleyしかいない。その声は、私にとって、どこまでも澄んで冷たい摩周湖の水そのものなのだ。彼女が唄うと、どれも高貴で清純な雰囲気になるのだが、その中でとりわけ気に入っているのが、「My Heart an…

水とあなたと太陽と

私にとって、竹内まりやの名曲は2つあるが、そのうちの一曲が、「水とあなたと太陽と」である。この曲、発表された当時、実は、いい曲だと思わなかった。何かと意気込みやすい性格だった私には、肩の力の抜けた、この曲の良さがわからないなった。しかし、…

Brighter Days

私は、学生時代からずっと、好きな曲の一つに、Loggins and Messina の Brighter Days がある。静かな情熱を胸に秘め、切々と歌われるこの歌は、単なる感傷を超越した感がある。さて、この曲の雰囲気に似た歌が、日本の詩歌にある。中原中也の「朝の歌」であ…

Yesterday Once More

カーペンターズの曲の中で、私はこの曲が一番好きだ。この曲が流行っていたとき、私は修学旅行で京都にいた。京都の四条河原町のデパート街を歩いていると、何店もの店がこの曲を流していた。この旅行でわかったことは、あの人の気持ちだった。見かけは冷淡…

揺れ動く恋心

Jimmy Webb 作詞作曲の中にWatermarkという曲がある。Jimmy Webbの唄が下手だとは思わないが、Art Garfunkelが唄うことで、透明感が増し、あたかも摩周湖の水面に映る自分の顔を眺めているような気になる。夏が終わり、一時の熱情が冷めた瞬間をとらえ、揺れ…

真実の恋

Eric Andersonの曲に Is It Really Love at All という曲がある。当時、私は、中途半端な恋に悩み、人を好きになるのに億劫になっていた。そんなときに、聞いたのがこの曲だった。静かな夜明けに、波が寄せては引き、寄せては引く様な雰囲気の曲だった。そし…