遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

優子ちゃんの想い出

優子ちゃんとは、最も落ち込んでいた時期に出会った。
何をやってもうまくいかない
自暴自棄になりそうな時代だった。

優子ちゃんはちゃっかりした子だった。
講義を受講しているはずなのに
同級生のノートで間に合わせ
たくさんの単位を受講し進級した。
私は借りたノートで間に合わせる気がせず、半分眠りながら聞いていた。

また、優子ちゃんは活発な女の子で
運動部に所属していたと思ったら
ファーストフード店でアルバイトし
しまいには、キャバクラみたいな所で稼いでいた。

実家は貧乏ではないはずなのに
不思議な女の子だった。

容姿は、ハーフのタレントそっくり
みんなの注目の的だった。

あるとき
別の女の子から優子ちゃんとの交際をすすめられた。
互いの気持ちを知っていたようだった。


が、気持ちの整理が付かない私は
答を見い出せなかった。
うまく行く気がしなかったのだ。

それから数十年経ち
偶然連絡がとれたので
話してみた。

今はバレエに熱中しているそうだ。
昔と変わらず、若さを維持しているのだろうと直感した。
その昔のことを告げようとしたが
何も言わず電話を切った。