遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

銀行の想い出

銀行はATMでお金を出し入れするに過ぎない場所だが、この場所にもちょっとした想い出がある。

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高校の卒業式が終わり、街の本屋に買い物に行った折、
降りたバス停近くの横断歩道で私は信号が変わるのを待っていた。

ほどなく、歩行者信号は青になった。
私は歩き始め、向こうから誰か歩いていることに気がついた。

それは、長い髪、ハイヒールを履き、トレンチコート姿の私と同じ年齢と思われる女性だった。

眼は涼しげで、色白、私は足を止めそうになった。

あれから数十年の月日が流れ、今がある。

縁がないというのはこういうことの繰り返しなのだろう。