遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

ある真冬の出来事

登校時にあなたを見つけたのは、小雪が舞う寒い冬の日だった
あなたは、学生鞄を右手に持ち
コバルトブルーのコートを着
小首をかしげるように歩き
合流地点でチラっと私の方を見
歩道を横断した
そんな姿を私は三年間追いかけた。
あなたの想いに応えられないことを知ったのは
吐く息が白く立ち上がる
足下からしばれる
寒い冬の日だった
あなたは、真っ直ぐに私を見つめたものの
私は、別の女の子とのことで
それどころでなかった
そうするしかなかった
あまりに真剣であるのがわかり
申し訳なく思った
誤魔化すのは良くない
時間を置いて私の方から告白しようと考えたのは
ドカ雪直後の、卒業式の日だった
すべては、冬の日に起きたことだった
Blood Sweat and Tears "Sometimes In Winter" Steve Katz My Extended Version!
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