優子ちゃんは大学の同期生
今も独身
学生時代は当時の雑誌の表紙を飾った、キュートでかわいいタレントのそっくりさん
ある女の子を介して交際を勧められたことがある
脈があったのは確かだ
が、
何を考えている人かわからないという気がして
近づこうと思わなかった
しばらく恋愛沙汰から遠ざかりたい気持ちもあった
彼女は、卒業後、有名企業に就職、地元に残った
最初に配属となった職場の行事で、偶然再会
優子ちゃんは魅力的で
本来なら、そこでデートに発展するはずなのであるが
私は誘う気が起きなかった
あれから数十年たち
送られてきたメールを読み
会いたがっていることを知った
私は、自分の選んだ道を振り返り、自分の気持ちを正直に伝えた
彼女は会いにやってきた
いろいろ話をした
彼女は父のことをたくさん話した
父思いの子だった
私がある女性と結婚したその年
彼女は会社を退社、スペインに旅立ったことも知った
スペインでスペイン語を学んでいたそうだ
別れ際、私は記念の品を渡した
彼女は、今度会うのは40年後ね、と言った
私は、その意味を聞かず、そのまま別れた