遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

待ち伏せした人への弁明

待ち伏せした人に弁解したいことがある。
好きな相手を待ち伏せし、声をかけてもらう。
普遍的な恋愛テクニックの一つかもしれない。

男性に聞く! 職場での迷惑アプローチ「ランチ攻撃」「待ち伏せ
https://woman.mynavi.jp/article/130711-058/
何も起きていなければ、待ち伏せされたにしても、男の方は声くらいはかける。
が、私には、絶対に声をかけたくない事情があった。
たとえどんなに好きな人でも。
ある女の子がいた。その女の子のことはずっと好きで夢中だったのだが、現実の場面においては、予想しないような、180度違うことをやる。うまく行っている時でも周期的に癇癪を起し振り回した後、気がついて反省する。で、反省したと正直に言う訳にいかないので、どこかで待ち伏せして声をかけてもらい、仲直りしようという作戦みたいな感じなのである。
二度と振り回されなくないと思っているのに対し、待ち伏せは逆効果だということがわからず、待ち伏せみたいなことを続けた。クラス会などではさも従順な雰囲気で現れた。その女の子の家に遊びにいったくらいなのだが、精神的にもたないと諦め距離を置くことにした。時間を置いて再会したが、やはり、その女の子は私に対して以前と変わりがなかった。
困ったのは、いいなと思っている女の子たちがその後数人現れ、総じて、声をかけて欲しい、誘って欲しいというシグナルを出されてしまうことだった。
仕事帰り進行方向を塞ぐように、ややゆっくりと先を歩かれたケースもあった。
同じことが繰り返させられるのか、という悪夢が何度も続いた。
別に、女性から告白して欲しいと思っているのではない。女性から誘って欲しいと思っているのでもない。
あまのじゃくみたいな女の子とどうしても距離を置き、自分のペースを取り戻したかったので、待ち伏せされて仕方なく声をかけるような状況にはしたくなかったのである。
気が向いた時に誘いたいと思える人が傍に居て欲しかったのである。
それゆえ
手紙を書いた時に、元気にしているけれども今回は会えない
電話をした時に、あなたのことは覚えているけれども今回は都合が悪く会えない
冷静に、あくまで冷静に振る舞ってくれれば、私は私のペースで交際しようと考えたのである。