遠い夜空のオリオン

淡い想い出を綴る、私家版郷土史

花との会話

会社を退職し十数年が経過。
辞めるに際しなぜ辞めるのかと噂されたこともあり
話相手はもちろん、飲み友達などいない。
会社時代の付き合いはその程度と割り切ることにした。

 

馴染みのスナック、喫茶店は、どちらも退職前の年に相次いで閉店。
代わりに、植物、宿根と話をする機会が増えた。

 

話をするといっても
正確には、無心で眺め世話をしていると
思いがけない言葉が浮かんでくる
それが会話の実相である。

 

たとえば、二週間くらい雨が降らず、雨雲が近づいている直前
花がいつもより涼し気に咲いているように見えたりするとき
花は微笑んでいるように見えた。

気温が35℃を超えた日中にジョウロを抱え水撒きに行った時は
私はいいので別の場所に水を撒いて欲しい
との花の声が聞こえた。

 

言われたとおり隣の花壇に移ろうとした直前
足元のルピナスの地上部は枯れた後だったことを発見
水を遣ることにした。

来年、芽を出すかどうかはわからない。
地上部は枯れているように見えても
生きていて声をかけたかもしれない。

 

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