2021-06-20 母が愛した花 愛するもの 雪解けとともに一斉に花が咲き出す。その中に母が愛した花がある。 その花は、母の日が近づく頃に咲いた。母は、その花を毎年のように植え替え草むしりをした。 あまり植え替えすると枯れてしまうものだが、この花は違った。なんとか持ちこたえ、翌年もまた咲くのである。 母は、この花を見ている時はいつも笑顔だった。その花だけは別格の扱いで話しかけているように見えた。 花と語らう母の姿から母は正直な人だったことを想い出すのである。