遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

母が愛した花

雪解けとともに一斉に花が咲き出す。
その中に母が愛した花がある。

 

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その花は、母の日が近づく頃に咲いた。
母は、その花を毎年のように植え替え草むしりをした。

あまり植え替えすると枯れてしまうものだが、この花は違った。
なんとか持ちこたえ、翌年もまた咲くのである。

 

母は、この花を見ている時はいつも笑顔だった。
その花だけは別格の扱いで話しかけているように見えた。

 

花と語らう母の姿から
母は正直な人だったことを想い出すのである。