遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

時計屋の想い出 蜂屋時計店

旭川で蜂屋時計店と言えば、時計屋の老舗で有名だった。
また、土地取引の代表的な指標地点として、ニュースで紹介されることが多かった。

その蜂屋時計店、かつては、中学の入学祝いに時計を買って貰う人、就職の記念で時計を買う人、婚約記念の指輪を買う人で溢れていた。

しかし、若者たちの半数は、札幌、東京方面に流れ、この店に立ち寄る人は、どんどん減って行った。

その蜂屋時計店は10年前に店仕舞いした。
時計が売れず、宝石も売れず、店仕舞いするしかなかったのだ。

今は、10年前に入居した、大衆居酒屋が続いている。
旭川で坪単価あたりの土地取引価格が最も高かった地点が、大衆居酒屋に代わってしまったことは、買い物公園の凋落ぶりを象徴しているかのようである。

蜂屋時計店.jpg

幸い、昨年、新しい駅舎がお目見えし、壮大な都市景観を象徴する、街の顔になった。

人通りが途絶えていた、駅の周辺地区との車の流れが、増え、少しずつではあるが、買い物公園を通る人並みは戻りつつあるようだ。

蜂屋時計店は、もう戻らないかもしれないが、居酒屋ではなく、時計も売るレトロな雑貨屋として復活を希望したいものである。
レトロであれば、昔を知る人は、帰郷の際に必ず立ち寄るのではないかと思うからだ。