昨日、母校の銀杏並木道を歩いた。
道は、落ちた銀杏の葉で敷き詰められていた。
道は柔らかかった。
踏みしめる音が
過去の扉を叩く音のように聞こえた。
一歩歩く度に、
忘れ去っていたことが
一瞬甦っては
消えた。
銀杏の葉一枚一枚が
一生懸命生きた
一瞬一秒
のようだった。
私は、
脳裏に
閃いた
一つ一つの出来事に
再び出会い
そこで
暫く立ち止まり
空を見た。あたりを見渡した。
自分にも情熱にあふれた時代があったこと
を知った。
並木を歩く自分は
もう若くはない。
並木の両側にあった建物は、もう昔の面影はない
が
銀杏の葉が道を
一面に敷き詰める
時期だけは
これからも
並木道は、昔と変わらず
私を迎え続けてくれることだろう。