遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

夢を語った女の子のこと

一人だけ夢を語った女の子に出逢った。

こんな一生にしたいと
彼女は語った。
志ある美女にめぐりあえる
幸運は滅多にない。
卒業後のある日
彼女のお母さんから母に挨拶があった。
が、今になって思えば
無理な相談だった。
その女の子は
親の稼業を継ぎ
事業のパートナーとなり得る人を
探し歩いた。
偶然、自宅付近を通りがかり
とめていた車を見て
夢を捨てないでいること
改めて彼女の生い立ちを知ることとなった。
私たちは語るべきことを語らず
中途半端に離れ離れとなった。
そんな彼女は
何年かかろうと
夢を語る相手と出逢うことを
諦めてはおらず
今も叫び続けているように思えたのだった。