遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

彼女たちが望んだもの

彼女たちが語る一言、その言い方、その時の表情で、彼女たちが私に求め、望んだ社会的地位、肩書が何であるか、私は気がついている。
総じて、彼女の父親と同レベルのものを求められたような気がする。
彼女たちが望んだ社会的地位は、経営者、医者、大学教官、大企業重役である。
どれもなろうとしてなれるものではない。
彼女たちのことは今でも嫌いではない。彼女たちの気持ちもわかっている。
が、余りに多くを求める相手では、うまくいかないと思うようになり、そういうことと無縁の人を無意識に女性に求めた。出会った中で、妻は自分にとって最もストレスのない相手だったということになる。
私がやりたかったのは、立身出世とは別次元のことだったのである。