遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

詩集を読んだ想い出

詩集を読んだ想い出
それは
誰にでもあることで
私にも起こるべくして起きた
生まれて初めての
挫折を味わい
私は
戸惑った
唯一、自分にできたこと
それは
時が過ぎるのを待ち
時が来るまでの間
詩集を読むことだった
あるときは図書館
あるときは喫茶店

詩集を読んだ
それから
幾度となく
春が訪れ
花が咲き
木の葉は色づき
冬の夜空にオリオンは瞬いた

詩の中にあった青春
それは今
書棚の奥で
長い眠りから醒めようとしている