遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

クリーニング屋の想い出

母に連れられ、一度だけ入ったクリーニング屋がある。

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母からは、そのクリーニング屋はシミ抜きが上手な評判の店だと聞かされた。母が着ていた、着物のシミが落ちず、近くの店の技術では対応できず、母はこの店を選んだ。
母の話によれば、値段は安くなかったようだが、シミ抜きの結果について、母は満足したと記憶している。

この店は、その時以来、同じ外観のまま同じ場所にある。

ある時、店の周辺、通りの南北両側の建物を一軒一軒を、黒の3ナンバーのワゴン車の車中から、ビデオカメラで撮影していた、中年の家族連れを見かけたことがあった。その一家は、悲しげな様子だった。
私は、事業の倒産か何かで、街から離れなければならない境遇にある方々と察した。

ふと、通りの西側に、地場の名門と言われた、繊維商社の本社ビルがあり、その会社が倒産した直後であったことを思い出した。

旭川の繊維卸 東栄きょう再生法申請 負債は350億円
http://hokkaido-index.cocolog-nifty.com/blog/2003/01/post-676e.html

本社ビルは、既に機能を停止したようだった。
しばらくして、本社ビルが撤去され、街の発展のシンボルがまた一つ消えた。

その後に、ホテルらしき建物の基礎工事、2階部分までは終えたものの、その後の工事は中断したままのようである。