遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

繊維問屋の想い出

かつて、宮下通りと1条通りの9丁目の一角に繊維問屋街があった。
日本最北の繊維問屋として、稚内、名寄、北見、網走、紋別、留萌、富良野方面の小売店に卸していたのであろう。
 
母は、その繊維問屋の一つに学校時代の友人がいたようで、私をよく連れていった。店の奥には、円筒の石炭ストーブが置かれ、母とその友人は、ストーブを囲んで世間話をし、母はとても楽しそうに見えた。
子育ての話題もあったようで、その息子さんと私は同期生であると何度も聞かされた。その同期生は、その母親に似た賑やかな性格の人。今は地元で開業医になられていると聞いている。
 
 
その問屋街も時代の流れに逆らえず、次々と店を閉め、問屋街自体が消滅、今は数軒しか残っていない。
 
少し前に、ヤフーショッピングで、定番もののカーデイガンが安かったのを見つけ、購入した。納品者の住所を確認したところ、なんと当時からある繊維問屋だった。
昔は問屋、今は問屋とネットショップで生き残っている。たくましい商魂がないとできることではない。そんな時代になってしまったのである。
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