遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

敦子ちゃんのこと

私と敦子ちゃんは小学一年生の時からの知り合いである。
私が通っていた書道教室に、彼女は弟さんと二人で来ていた。

二人はおとなしく、いつも礼儀正しかった。それと比べると、私はいい加減でお調子者だったかもしれない。

私は、自分ではうまい字だとは思わなかったが、あれよあれよという間に昇段した。両親も不思議がったほどだった。

さて、敦子ちゃんの字はというと、いつもぼた餅のような字で
時折、顔に墨をつけたり……と
私は、見ていて笑いをこらえるるのに苦労したほどだった。

でも性格が真っ直ぐでとても良い子だった。
だから、ずっとそのままでいてほしかったし、
中学の時に告白などしないでほしかった。

なお、私は敦子ちゃんと喋ったことは実は一度もない。