遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

別れの言葉

私は、好きになった人に対しては、自分からは決して別れの言葉を言わないようにしている。
それは、好きになった気持ちを大切にしたいことと
好きだった人のことを決して忘れたくないこと、自分が選んだ人に自分から別れを告げることは自分で自分を否定することに等しいと思っているからだ。

そういう性格だったせいかもしれないが、今の家内に、言われた以外は、別れの言葉を言われたことはない。
もっとも彼女は私の本心を試そうとしたのだろうが。

だから、別れの時に、「もう来ないのね?」と聞かれたら、「いや来る」と答えるようにしている。
そうすることで、私は、彼女のことを想っていたときがあったことを、最後の瞬間まで彼女に示したい、ただそれだけなのだ。