遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

邪心のないピアニスト

中高年からクラシックピアノを始めた知人の話によると、モーツアルトを弾くのが一番難しいそうだ。音符をを追う難しさはないが、別の難しさがあるとのこと。
 
 
若い頃は意味がわからなかった。ここ半年くらい聴く機会が増えた、モーツアルトピアノソナタ集を聴き比べてみて、その意味がわかりかけてきた。
 
 
いろいろ語られる中で、リリー・クラウスモーツアルトは、いつ聴いても安心して聴ける。何か違う。
 
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アマゾンのレビューには、「時折控えめにも聞こえるタッチ。けれどもはぎれがよく、しかし決して情におぼれ過ぎることもなく、淡々と、けれども芯が一本通っている・・・」、「クリアな音感」、「こちらの精神状態に左右されず,何時聞いても何か作業をしていても聴ける」など、肯定的な評価が多い。
 
モーツアルト弾きの資格として、邪心のなさが必要であるようだ。作曲者がそのことを意図し作曲したとすれば、彼女はその点において天才なのかもしれない。
 
ただ、私は、邪心なき女性を伴侶に選ぶかというと自信がない。恋と音楽は別物。そういうものだと思っている。