世界的に有名かどうかはわからないが、有名な女性ギタリストがいる。
コメントから察するに、各国の人が、彼女の療養からの復帰を心から喜び、演奏を絶賛している。
私は、彼女の演奏姿、体の動き、特に左手の動きに注目している。
全然無理な動きがない。
全然無理な動きがない。
流れに身を任せるように体全体が動き、右手、左手が自然に動いている感じである。
彼女は、見渡す限り広がる草原の前に立っているかのようだ。
旭岳ロープウエイ下車2時間半くらいの裾合平という地点に、チングルマの大群落がある。
詩的に書くとこうなる。
初夏のある早朝
彼女は
草原の前に立った
彼女は
草原の前に立った
やがて
霧が晴れ
視界が大きく広がった
霧が晴れ
視界が大きく広がった
目の前には
見渡す限り
開花を待つ花々が
あった
見渡す限り
開花を待つ花々が
あった
彼女は
全てを受け入れ
目を閉じ
ギターを弾き始めた
全てを受け入れ
目を閉じ
ギターを弾き始めた
ゆったりとした体の動きは
穏やかな天候、微風であることを暗示
右手と左手がかなでる、控えめかつ微妙な音色は
徐々に開花しつつあることを
表現している。
穏やかな天候、微風であることを暗示
右手と左手がかなでる、控えめかつ微妙な音色は
徐々に開花しつつあることを
表現している。
無駄のない、そして無理のない動き、その慎ましやかな演奏態度は、聴く人を満足、感動させるに十分なものだ。
病からの回復直後だそうだが、主題の世界に自身を埋没させた演奏は多くの共感を生んだ。
この曲だけで彼女のファンになった人は多いのではないか。