遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

しずこちゃんとお母さんのこと

小学生の頃
しずこちゃんという同級生がいた
そのお母さんは自宅にアトリエを兼ねた洋品小物店を開いた
当時そういう店は珍しかった

そのせいでしずこちゃんは同級生から一目置かれた存在となった

その後
しずこちゃんとは進路が異なり
離れ離れとなり
会うことも話すこともない

先日、しずこちゃんの自宅前を偶然通りがかり
立ち止まった

こうして
昔のままのアトリエの看板が立っているのを
懐かしく思い
あの時代のままの店舗兼住宅が残っていることを確認し
カメラのシャッターを押した

近所の人の話では
お母さんは今も健在で
しずこちゃんは
今も近所に住んでいるのだそうだ

やせて背が高く鼻筋が通ったしずこちゃん
そして、ハイカラな帽子を被っていたお母さん
しずこちゃんは小学生時代青いベレー帽だったと記憶するが
体型、顔だちから察するに
年はとっても
モデル並みの美人に違いなく
近所の方に伝言をお願いし
私はその場を去った