婚礼の話と言うと目出度い話を思い浮かべる方が大部分と思う。
小泉八雲の「赤い婚礼」という短編では、現世で結ばれなかった、
若い男女の想いと悲劇的な結末を
視覚的に描いている。
小泉八雲 短編集 「赤い婚礼」テキスト文書
http://teabreakt.studio-web.net/7akaikonrei.pdf
フィクションに過ぎない話ではあるものの、一途に生きた人々、古い霊的な日本の叙情的風景が目に浮かぶようである。
さて、この短編の主人公の男女は、小学校時代の同級生である。
私にも、小学校1年、2年に、手をつないで一緒に登校した、同じクラスだった、直子ちゃんがいた。
三角屋根の大きな家に住み、やや小柄、ややハスキーボイスで、黒目が大きい、ボーイッシュな子だった。
私は、この短編集に出てくる女の子が、直子ちゃんに思えて仕方がなかった。
この短編集の話が、思いがけず、子供時代の記憶に、突き刺さってしまった感じなのだ。
もし、自分がその時代に生きていたら、どうなっていただろうと、ふと考え込んでしまうのである。
ただ、現実の直子ちゃんは、小学3年の春に転校してしまったので、互いに気にすることもなく済んことで、ほっとしているのだが…………………