私にとって、あの人はいつも高嶺の花だった。
理由はいくつかある。
彼女にはなんとなくツンとした雰囲気があった。
そして、あまり、社交的ではないように見えた。
本当はそうではなかったのだが、時々話す言葉は、実に上品だった。
着ているものが仕立物ばかりだったので、なんとなく釣り合わないような気がしたこともあった。
本当は、そういう人ではなかったのだが、彼女は美しく見せようとして
そうしただけだった。
ただ、どうしても気になったことがあった。
それは、母とウマが合わないのではないかということだった。
だが、そんな心配は不要だった。
彼女の親戚が近所に住んでおり、そういう雰囲気ではなかったことを知った。
すべては自分自身の気持ちの整理の問題だった。