遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

校庭で猫を抱き上げた想い出

ある温泉旅館で、私を見てネコが鳴き
昔の出来事をふと想い出した。
それは、学校の文化祭の時に起きた。
校庭で、青い目をした白黒猫が
私とある女の子の間にいた。
猫は私の方に歩み寄り
私を見上げ、さんざん鳴く。
仕方ないので抱き上げ、頭を撫でた。
猫は満足し、おとなしくしている様子。
その女の子は、私の方をじっとみ見ていた。
私は、猫をもといた場所に戻した。
飼い主を知らない猫を抱き上げたのは、この時が最初だった。
猫は女の子の想いを知っていて
私に伝え
数十年が経過した。
その女の子は覚えているだろうか。