遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

退職した日の想い出

長く勤めた会社を3月末で退職することにした。

その日は、電車を降り、いつも通りの通勤経路を歩き、信号待ちの交差点にて、見納めだと思って写真撮影した。

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すると、入社同期で誰もが憧れた女性が、娘さんと思われる人と連れ立ってこちらに歩いているのを見つけた。何年かぶりで挨拶、よりによってこんな日にこんな場所で会うことに驚いた。縁とはこういうものなのだろう。

 

本社社屋に入り、同じ3月末日で退職予定の人と待ち合わせし、記念撮影した後別れ、かつていた懐かしい職場に出向いた。

すると、向こうから歩いてくるM子を見つけた。
通り過ぎる前に、彼女は頷き、口元でさようならと言ったように見えた。

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普段なかなか会えない人に会えた一日だった。

 

退職辞令交付は11時半に始まった。私は用意した言葉で職場の皆さんにお別れの挨拶をし、社屋を去った。

 

長いようで短かったサラリーマン人生だった。