遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

後悔する恋 しない恋

実は、ある女性に対する出来心がきっかけとなって、後悔しない恋に目覚めた。

その女性は、交際らしきことを申し込んだ際の、断り方があまりにツボを押さえた、大人の言葉の言い回しだった。
私は驚いた。こういう女性も世の中にはいるのか、と、その女性を見直した。

今になって思えば、出来心だったのであるが、出来心であることを見抜き、やんわりと諭している点において、この女性は私よりも上手だった。

その女性と比較し、美貌に抗しえず恋してしまった女性は、人生の針路を決める重要な時期に、振り廻すような言動が続いた。

どう考えても、後悔する恋でしかなかった。

私は、疲弊し、勉強が手につかなかった。

そして案の上

その直後に迎えた、長い失意の始まりの春休み。
彼女は、いそいそしい雰囲気で再登場した。彼女は、お揃いの服を来て、仕草から、待っている様子だった。

が、私は、二度と係わる気がしなかった。彼女に再び会い、振り回されるくらいなら、部屋で、孤独を語る女性シンガーの歌を聞いていた方がましだった。

それから数年間、私は、近くには住んでいたが、彼女には遭わないように努めた。

私は、しばらく恋をせず、自分を見つめ直し、精神的にも肉体的に強くなろうとした。

それは、たった一度一緒に遊んだ幼馴染みで、高校で再会し、私になんと「初恋」までしてしまい、けれんみのない、正攻法で告白を挑んだ、あの人に対し、私にできる、精一杯かつ最初の償いだった。

私の気持ちを代弁してくれそうな曲を以下に紹介します。

Laura Nyro - I Never Meant To Hurt You
女性が歌う恋の歌で、この曲以上の歌を私は知りません。たとえ、英語であろうと、言葉がわからなくても、何語で歌おうと、気持ちは伝わります。