悲しい事実を忘れないために
あの人に起きてしまった偶然を書いておきたい
実は母方同士は遠戚(母方祖母の親戚の………)
初めて出会ったときに、あの人が私の手を引いたこと
それからかなり長い時間見つめ合ったこと
病院の待合室
音楽教室
英会話学校
街中のいろいろな場所で何度もすれ違っていること
高校で再会し
私に初恋してしまったこと
言い訳となるが
私は
心からの欲求に背き
現実的な選択をしたことになる
本当にすまない
と思っている
ただ
あの人との破局が意味するものが大きかったのも確かだ
遠い祖先は
そのDNAの痕跡を
互いの出会いを導くために
かすかな印として
私とあの人を選び、用意したものの
その願いは結ばれぬまま
悲しい思い出だけが残ってしまった
私は祈るような気持ちで運命を受け入れるしかない