遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

想い出のスナック

レナウンという衣料品メーカーが消滅してしまうとの報道を読んだ。

 

レナウン、解体の可能性も スポンサー決定へ正念場
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020061801217&g=eco&utm_source=top&utm_medium=topics&utm_campaign=edit

 

デパートの衣料品コーナー、レナウンが手がけたブランド揃いであることはご存じのことと思う。

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さて、街の繁華街の飲食店ビルの5階、エレベータを降り、左の突き当りに、先輩がよく通うスナックがあった。この店、ある業種の有名企業のご用達店。
店の名は、フランス風のカタカナ四文字。内装もフランス風。ちょっとした油絵がかけてあった。お客さんが洋行帰りにプレゼントしてくれたと思われる。

その先輩とママさんは何やら昵懇の様子。モデル並の看板娘が居て、何を食べても美味しく、他店にはないプレミアムレベルのレーザーカラオケがあった。

その娘さん。このレナウンに高卒でレナウンに(コネなし?)就職できたほどの美女。いわゆるキャンペーンガール並みの人。背が高く、性格の良さが幸い、店は彼女目当ての常連さんだらけ。結局、彼女は足繁く通った常連さんとめでたく結婚、上京と相成った。

話は、ここでめでたしめでたしとなるのであるが、もともと、母娘二人で切り盛りしていた店。看板娘なき店の売り上げは減る一方。常連さんが次第に遠ざかったこともあり閉店するに至った。

昨今のコロナショックでスナックが軒並み売り上げ激減となっている中、早いうちに見切りをつけたママさんは賢明な判断をしたように思えて仕方がない。
そして、この店に連れて行ってくれた先輩は、もうこの世の人ではない。