遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

スーパーマーケットの想い出

時々、大学時代のことが懐かしくなり、訪れる場所がある。
かつて住んでいた場所の周辺、戸建ては徐々に更地化、銭湯は居酒屋となり、居酒屋があった場所はグループホーム、空き地はワンルームマンションとなった。
スーパーマーケットだけが、昔の建物のまま残された。
店の玄関で、レジで起きたことを想い出した。
月末になるとどうしても金が足りなくなる。仕方なく、食費を節約せざるを得ない。
スーパーで買い物できる金は十分ではない。そんな私の懐事情を察したのであろうか。
スーパーでリンゴとかグレープフルーツを1個単位で何個か購入する際、レジのお姉さんが、3個籠に入れた物を2個ないし1個でレジ打ちしたりすることが何度かあった。
普通の男なら、その女性にそっと何事か言うかもしれない。
が、私は何も言わず、会計を済ませた。
レジの女性のしぐさはごく自然。じっと私を見つめる訳でもない。打ち間違う人には見えない。
時代は変わってもそのスーパーは学生で賑わっている。
似たような経験をした学生が他にも居て口伝えで広まったためなのか
昔よりも学生が増えたように見えて仕方がないのである。
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