遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

詩作に必要なツール

普段あまり使わないが、あれば使いたいツールがある。
それは、現代語と古語を一覧で参照できる類語辞典である。

短歌や俳句の世界では、作句にあたり類語辞典を所蔵し参照することが、ノウハウ上の常識となっている。
作詞家などは、五七五にこだわる場合、類語辞典で参照することはままある。なぜなら字数的にどうしても五七五でなくてはならないからである。
ただ、詩作の場合は、イメージが湧かない限り、響きのいい言葉を探しても意味がない。概念やストーリーにフィットする言葉でつなげなくてはならない。言葉は並んでいてもイメージをつながないものは詩ではない。
一方、俳句の場合は、字数が少なく読み手が考える余地が必然的に発生するため、類語辞典で誤魔化す?ことが可能なようだ。誤魔化すと書いたのは、小手先で対応可能という意味である。
類語辞典の中で、評価すべきものは、「現代語から古語を引く辞典」(金田一春彦芹生公男)、「美しい日本語の辞典」(小学館辞書編集部編)、「現代語古語類語辞典」(芹生公男編)である。中でも、「美しい日本語の辞典」は、喫茶店などで音楽を聴きながら読むと、インスピレーションが湧きそうな辞書である。
辞書として発売されたが、エッセイみたいな読み方もできるのである。
美しい日本語の時点.jpg
概念的に、若く美しくありたいと願うのであれば、対象を肉体や服装に限定する必要はない。美しい言葉を知り使うことも含まれる、はずである。美しい言葉とは、「美しい日本語の辞典」によれば、「後世に残したい日本語」「自然を友としてー雨・風・雲・雪・空の名前」などの項目に分類されるとのこと。当然のことであるが、この本に本当に美しい日本語が本当に掲載されているかどうかにこだわる必要はない。美しい言葉とは、どれが美しい言葉なのか、究極的には、辞書編纂者に依存せず自分で探し出さなくてはならない。
才能ある人は辞書を当てにすることは決してないが、良い辞書は、失われつつある古き良き日本語の伝統を守るだけでなく、言語活動の支えとなると考えるのである。