立原道造の詩集の中から、見落としていた名詩を見つけた。
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立原道造「暁と夕の詩」 Ⅶ 溢れひたす闇に
美しいものになら ほほゑむがよい
涙よ いつまでも かわかずにあれ
陽は 大きな景色のあちらに沈みゆき
あのものがなしい 月が燃え立つた
つめたい!光にかがやかされて
さまよひ歩くかよわい生き者たちよ
己(おれ)は どこに住むのだらう――答へておくれ
夜に それとも昼に またうすらあかりに?
己は 嘗(かつ)てだれであつたのだらう?
(誰でもなく 誰でもいい 誰か――)
己は 恋する人の影を失つたきりだ
ふみくだかれてもあれ 己のやさしかつた望み
己はただ眠るであらう 眠りのなかに
遺された一つの憧憬に溶けいるために
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最初の4行の旧仮名遣い表現が素晴らしい。
同じサイトにて、現代表記も読めるが、私は旧仮名遣いの方が、詩らしいのではないかと思う。
この詩にマッチしそうな動画を探してみた。