ユーミンこと荒井由美の曲を初めて聴いたのは、デパートの特設会場。
当時、人気だったヤマハの最新機種のステレオで荒井由美の「ひこうき雲」のアルバムを聞いた。
日本にもこんなしゃれた、ボサノバ風のアレンジの曲をするミュージシャンがいたことを知り、衝撃を受けた。
そのうちの一曲、「雨の街を」はその時代、繰り返し聞いた曲である。
このアルバムの曲で、次に気になる曲は、「曇り空」。
「雨の街を」と同様、東京の春の移ろいやすい天気をテーマとした、女性の心理状態を重ねた曲である。ネガテイブでありつつもアグレッシブなアレンジが面白い。好きな曲ではないのだが、脳裏から離れない。
このアルバムには、他に有名曲はある。が、私には、「雨の街を」以外の曲を説明する気になれない。
あの曲にあるように、
ミルク色の空の下、小雨が降る中、傘をさし大学通りを進み、合否発表を見に行った自分の姿を
そして、その日を待ちかねたように、現れた、その人の姿を
私は忘れない
その人と一緒なら、どこまでも遠いところへ歩いて行けそうな気がした
自分と
長く辛かった時代がその日に終焉したことを
昨日のことのように想い出すのである。