遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

ある人の死

最近、ある人の、死を知った

亡くなられる前
亡くなられた後
どちらにも兆候はあった

最初の兆候は一年前にあった

軒先を歩く姿を見かけなくなり
通りがかった際
呼ばれているような気がした

ずっと入院されていたのだろう

年が明け
通りがかった際
その建物周辺に
何とも言えぬ寂寥感が漂った

年末まで聞こえた呼ぶ声は聞こえなくなっていた

予感したとおりであれば
託された人が
後を継ぐことになる

後の人のことを私は知らない

が、喪が明けた後、目に見える形でのその人のやり方と決別
やや斬新ともいえるその手法は
その人が亡くなられたことを
暗示するに等しく
最近の訃報を調べ直し
その人の死を確認したのだった


YES ONWARD LIVE 1996
https://www.youtube.com/watch?v=OQ_UvogGQ_A