遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

無店舗のメガネ屋夫婦のこと

メガネ屋と言うと、商店街の一角に店舗を構えたビジネスモデルを想像される方が多いと思う。

大学4年の冬に、私は、近所に住むある人の親戚のツテで、無店舗のメガネ屋に母のメガネを受け取りに同行することになった。

そこは、バス会社の事業所がある区画の仲通り。

そこには、30歳くらいの新婚風の夫婦が住み、いわゆる無店舗のメガネ屋を営んでいた。

私は、無店舗のメガネ屋の存在に驚愕した。紹介ルートだけで生計が成り立つことに驚いたのだった。すっきりした顔だちの美男美女だったことにまた驚いた。

そんな母は、そのメガネ屋夫婦がある人の縁戚であること、私の母方もある人と親戚であることを告げ、一体どの女性に決めようとしているのか?はっきり言わない私に確かめたいようであった。

母は、交際前から親戚付き合いしていることを示したかったのだろう。