遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

恋をしないと決めたものの困ったことが起きてしまった

この季節になると
毎年のように、受験浪人時代、大学教養時代のことを想い出す

高校3年の卒業式の日、向こう3年間恋をしないと決心した
幸い、受験浪人時代はそういう雰囲気とはならなかった
同じクラスの女の子が訪ねてきたことがあったが、言葉にならなかった
彼女は去ってくれたので、私はほっとした

しかし、大学入学直後、予想外のことが起きた
入学直後
その秋
翌年の春
周囲にいた女の子から交際を求められた

茶店などで話すだけなら構わないのだが
交際は四六時中傍らを離れない印象があり面倒だった

別に好きな人
忘れ形見の如き幼馴染がいて
心の整理が必要と言えなかった
要するに、どう向き合うか、答えがなかった

中途半端な恋はする気はなかった
面倒な関係となるのはこりごりだった
遊ぶという感覚もなかった
また、自分が振り回されることは避けたかった

彼女たちは、皆一途に見えたが
私には時間が必要だった

贅沢な話に聞こえるかもしれないが
本当の自分はそうだった
と振り返って思うのだ