遠い夜空のオリオン

幼馴染との淡い想い出を綴る私家版郷土史

霧の中 ヘルマン・ヘッセ

学生時代、図書館で何気なく読んだ詩集の中で、はっとした詩を一つ紹介させていただく。

夜明け前、誰もいない霧の中を
山の中、霧で視界が遮られている中を
歩いている時に

ふと想い出す、詩である。

不思議だ。霧の中の野道を歩くことは
生きるとは、かように孤独であり
誰も他の人を知らない。
みんなひとりぼっちだ。

それでも人は霧の中を
僅かな希望や絆を手繰りよせるように
歩き続けるのだ

 http://blogs.yahoo.co.jp/yoshimizushrine/58416094.html

『霧の中』  
 
ヘルマン・ヘッセ

 (高橋健二訳)   

 不思議だ、霧の中を歩くのは!
 どの茂みも石も孤独だ、
 どの木にも他の木は見えない。
 みんなひとりぽっちだ。
 私の生活がまだ明るかったころ、
 私にとって世界は友だちにあふれていた。
 いま、霧がおりると、
 だれももう見えない。

 ほんとうに、自分をすべてのものから
 逆らいようもなく、そっとへだてる
 暗さを知らないものは、
 賢くはないのだ。

 不思議だ、霧の中を歩くのは!
 人生(いきる)とは孤独であることだ。
 だれも他の人を知らない。
 みんなひとりぽっちだ。

この詩にぴったりマッチする曲がある。
人それぞれの好みかもしれないが、私は、この曲を聞いていると
ヘルマン・ヘッセの詩を読んでいるような気になるのだ。

Crosby, Stills & Nash - Lady Of The Island