遠い夜空のオリオン

私ともう一人が知る、淡い想い出を綴る、私家版郷土史

ラケットを交換した女の子のこと

私は学生時代、体を鍛える目的である運動部に所属した。
軟弱だった私にとって、練習もトレーニングも辛かった。
特にトレーニングが堪えた。

そんな中、異性だと意識しないで話せそうな女の子いた。
彼女は、私と比較して、体力づくりがうまく上達が早かった。
失意のどん底で留年寸前だった私と比べて、学業もそつなくこなした。

私は、高校卒業後は3年間は恋をしないつもりだったが、誘惑に負け、
憧れていた文学部の女の子のことをとうっかり彼女に喋ってしまった。
また、彼女の自宅近くで試合があった時に、自宅に招待されたこともあった。
その年の冬が明け、大学3年の終わりに彼女は退部し、その際、彼女から
ラケットの交換を求められ、私は友情をもって従った。

その彼女とは、卒業間際に、駅近くでぱったり出くわし、互いの就職先について話をした以来会ってはいない。

噂によれば、あれから暫くして同じ学部の人と結婚したことを噂で知った。
そして
あの時のラケットはもう側にはない。