失意の時代は数年続いた。
私は、目標を失った悲しみ、自分への苛立ちから自暴自棄に何度もなりかけた。
そんな時、サイモンとガーファンクルのボクサーという曲を聴いた。
聴いているだけで
苛立つ心は静まった。
一度聴いて静まらない時は、二度、三度と聴いた。
それぐらい落ち込んでいた時代だった
歌詞は、確かに、場末のボクサーのことだった。
The Boxer 訳詞
http://www5.ocn.ne.jp/~tyun/TheBoxer.html
私は、当てもなく、放浪していたようだった。
この曲の最後の部分
ライラライ、ライラライラライラライ、ライラライ、ライラライラライラライ
で繰り返されるフレーズは
呪いによって絶望が充満する部屋に閉じこめられた
自分に射し込む
一筋の強い光のようだった。
悪夢にうなされる自分を
眠りから覚ます如く
力強く鳴り響く、モンスター・ドラムの音に
私は何度、励まされたかしれない
やがて嵐は去り
数十年が経過し
今は平穏な時代を過ごしている
ただ、この曲は
当時を振り返ると
今ある自分の原点であり
生きる勇気を与えて続けてきた意味において
ドラムパートが主役となった
希有な名曲である
歌は、時に人に勇気を与えるものだとされるが
今も
これからも
あのモンスター・ドラムの音は
私に生きる力を与え続けるだろう
モンスター・ドラムの解説
Simon & Garfunkel「THE BOXER」
http://soundside.blog3.fc2.com/blog-entry-108.html