遠い夜空のオリオン

私ともう一人が知る、淡い想い出を綴る、私家版郷土史

卒業式の想い出

高校の卒業式で私は、あの人の泣きはらした顔を見た。
卒業式が終わり、謝恩会が終わり、なぜかあの人は私の顔をじっと見つめ目の前に立っていた。

あの人は本気だったのだ。

しかし、私は、ずっといい加減だった。中途半端な恋に手を出し疲れていた。「さようなら」と言うことが、できる精一杯の事だった。

あの人はずっと特別な人だった。特別の人だったからこそ、私は、今度あの人に会うときは、心から好きだと言える自分にならなければならないと思ったからなのだ。

そして、私は卒業と同時にある決心をした。

それは、自分の気持ちの整理がつき、あの残像を消すまで、二度と恋をしないことだった。そのためには3年かかると思った。