遠い夜空のオリオン

私ともう一人が知る、淡い想い出を綴る、私家版郷土史

榎戸さんそっくりな女の子のこと

テレビ東京の午前11時のニュースに出演する榎戸さんを見るたびに思い出す中学の同級生がいる。
名が榎田さんと同じ呼び名なので、余計そう思ってしまうのかももしれないが。

ただ、私は、彼女に対し済まないことをしたと思っている。謝らなければならないと思っている。

彼女は、私のことを好きだった。
実際、告白したのだから。
私は、彼女のことは嫌いではなかった。
ただ、私には何人もの女の子と付き合う余裕はなかった。
それから1年半後、転校し、遠くに去っていくときの彼女はとても悲しそうだった。
私はそのことを薄々知ってはいたが、ただ、夢中になっていた女の子が複数いて、どうしようもなかった。

それから数十年だち、あるデパートで、輸入もののストライプのネクタイを探していたところ、彼女らしき店員さんに呼び止められ、「あなたにはこういう帽子が似合うはずだ」と言われ、帽子を被るよう薦められたので被ってみた。

帽子を被り満足した彼女に対し私は笑顔で応えた。彼女に間違いないことを確信したが、何も言わずその店を出た。

それでよいのだと思った。