遠い夜空のオリオン

私ともう一人が知る、淡い想い出を綴る、私家版郷土史

『思いやり』の勝利

中学卒業後、私は進学校、三つ編みが似合う彼女は女子高に進学した。
彼女は、依然私に積極的で、女子高の制服がよく似合い、彼女とデートすればカッコはついたのだが、私はあえてそれをしなかった。
誘おうと思えば誘えるのだが、夢中になっている女の子のことで頭が一杯だったからだ。

それから3年後、同窓会で出会ったときに、呟くように彼女は何かを言ったが、私は聞かないふりをして別れ、彼女とはそれっきり会うことはなかった。

ところが、世の中というものは不思議なもので
その後は、つらい事があったときに、会って話がしたくなったのは、夢中だった女の子ではなく、彼女の方だった。
時々アルバムを見たときに、無意識に目が行ってしまうのも夢中だった女の子ではなく、彼女の方だった。

私は、彼女の思いやりに漸く気づいたのだ。
だが、遅すぎたのだ。